蕁麻疹(じんましん)とは

蕁麻疹(じんましん)は皮膚の一部が赤くくっきりと膨れあがる(膨疹)病気で、多くはかゆみを伴います。
蕁麻疹がでると何かのアレルギーではないかと心配する保護者の方が多いですが、風邪をひいたり、体調が悪い時にでる、原因が特定できないものがほとんどを占めます。
小児にみられる蕁麻疹のタイプ
- 物理的な刺激によるもの(機械的蕁麻疹)
- 日光の刺激によるもの(日光蕁麻疹)
- 体が暖まった時(温熱蕁麻疹)
- 暖かいところから寒いところにでた時(寒冷蕁麻疹)
- スポーツや入浴後、汗の刺激によるもの(コリン性じんましん:3-5mmの小さな膨疹がたくさんでき、時にピリピリした痛みを伴う)
- 食物アレルギーによるもの
いずれも短時間で治まることがほとんどで、冷やしタオルなどで冷やしてあげるとかゆみが和らぎます(寒冷蕁麻疹では逆効果です)。体が温まると症状は悪化するので入浴は控えた方が良いでしょう。
食物アレルギーによる蕁麻疹
食物アレルギーによる蕁麻疹は、原因となる食物を摂取後、おおむね1時間以内に出ます。
皮膚症状に加え、咳・喘鳴などの呼吸器症状、腹痛・嘔吐などの消化器症状など、他の臓器症状を伴う場合をアナフィラキシーといい、時に迅速な対応が必要となります。
食事やおやつに何を食べたかを詳細に聞くことで原因食品は推定でき、それを血液検査で確認します。食物アレルギーは安全量を摂取していくことで治る可能性が高まるので診断後の対応が重要になります。
蕁麻疹(じんましん)の治療
蕁麻疹は肥満細胞という細胞からヒスタミンなどが放出されて生じるので、薬剤はこのヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬を用います。当初の抗ヒスタミン薬で症状が抑えられない場合は変更したり、通常の倍量を用いたり、他の薬剤を併用します。
原因や悪化因子がはっきりしている場合はそれを取り除くことが重要になります。難治例には生物学製剤が使用できます。
蕁麻疹では食物の関与が疑われる時以外は血液検査は原則不要です。
慢性蕁麻疹について
6週間以上続くものを慢性蕁麻疹といいます。小児では稀ですが、長引くときは慢性化させないためにしっかりコントロールすることが重要です。
血管性浮腫について
蕁麻疹と似た病気に血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)があります。皮膚や粘膜などに腫れやむくみが突然生ずる病気で特に瞼、唇、喉などに多く見られ、喉の粘膜が腫れると呼吸困難となることもあります。
かゆみや発赤を伴わないのが蕁麻疹との違いです。