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アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎はアレルゲンが鼻粘膜から侵入し鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの症状が引き起こされる病気です。通年性アレルギー性鼻炎(一年を通して症状が出るタイプ)と、季節性アレルギー性鼻炎(特定の季節に症状が出るタイプ、いわゆる花粉症)とがあり、両者を合併しているお子さんもいます。

小児のアレルギー性鼻炎

近年、アレルギー性鼻炎をもつお子さんは増えており発症が低年齢化しています。お子さんの場合、症状をうまく表現できず、鼻をこする、口呼吸する、いびきをかくなどの症状で気付かれることもあります。アレルギー性鼻炎の症状が持続すると、上記の症状に加え、頭痛、倦怠感、集中力の低下などの生活の質(QOL)の低下を引き起こすことがあります。

また、気管支喘息を合併するお子さんでは鼻炎の治療が喘息症状の改善につながることがあり、適切な治療を行うことが大切です。鼻の粘膜を観察し、血液中のアレルゲン特異的IgE抗体で、ほこり、ダニ、各種花粉、動物、カビなどのアレルゲンについて調べます。

アレルギー性鼻炎の治療

1. 抗原の除去

まずは原因となるアレルゲンの曝露を回避します。
通年性アレルギー性鼻炎に対しては室内の掃除をこまめにする、カーペットや布張りのソファーを避けるなど、ダニ対策を中心とした環境整備、花粉症の場合には、花粉が飛散する時期にマスクを付けて外出するなどの対策も行います。

2. 薬物療法

アレルギー性鼻炎の治療薬には、飲み薬や鼻に直接投与する噴霧薬などがあります。症状や重症度に応じてこれらの薬を組み合わせて治療を行います。

  • 抗ヒスタミン薬(飲み薬)・・・主にくしゃみや鼻水に効果がありますが、眠気などの副作用が少ないものを用います
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬(飲み薬:プランルカスト、モンテルカスト)・・・鼻づまりに効果があります
  • ステロイド点鼻薬・・・直接鼻粘膜に噴霧し粘膜の炎症を抑えます。

3. アレルゲン免疫療法(減感作療法)

アレルギー性鼻炎を根本的に治すことが期待できる治療です。アレルギーの原因となる抗原を少しずつ体内に入れ、反応を弱めていくことにより症状を抑えていくことができます。

アレルゲン免疫療法には、注射で行う皮下免疫療法と、薬を舌の下に入れる舌下免疫療法があり、舌下免疫療法は日本ではダニとスギの製剤が発売されていますが、スギ花粉症は北海道では稀です。
シラカバ花粉症用の薬剤は現在発売されていません。

少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します。口の中の痒みや不快感などの副作用が出ることがありますが、皮下免疫療法に比べると重い副作用は出にくいといわれています。2年ほどで効果が現れ3〜5年は治療を継続します。根気のいる治療です。